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男の島旅~隠岐編~ 【序-4】オカヤマな1日

2015年12月30日(水)

大晦日を翌日に控えた本日、隠岐渡航に向けた長い長い序章も今日をもって終了する。
明朝には、年末業務を終えた拓北君が夜行バスで中国地方入りするため、合流の上、隠岐への玄関口、松江市七類港を目指すことになる。

地図

そのために、本日は彼との待ち合わせ場所である広島県庄原市へ向かう。

何故庄原市か?
確かに七類港に行くためには、鳥取県米子市や島根県松江市へ向かう夜行バスに乗るのがベストだ。
しかし、帰省ラッシュと重なり、そのバスが満席になってしまっていたのだ。

地図

そこで思いついたのが、広島市行きの夜行バス
終点の広島市までは乗らずに、途中の庄原バス停で降りるのだ
しかし、庄原市と松江市は直線距離で80km程離れており、またその間には中国山地が立ちはだかっている。
高速バスが庄原に着くのは5:22、フェリーの出港は9:30
厳しい乗り継ぎだ。

そう、庄原に朝着き、七類港へ向かうというプランは、到底成り立たないはずであった。
2013年3月までは…。

地図

この綱渡り的なプランを可能にしたのが、2013年3月に全通した松江自動車道
待ち合わせ場所である庄原インターチェンジから、中国自動車道を西へ10km程進んだところにある三次東ジャンクションから分岐し、一気に北上して島根県を目指す高速道路だ。
これを使えば、庄原から七類港まで2時間で着いてしまう。
渋滞により、バスが激しく遅れたり、拓北君が乗り過ごしたりしない限り十分に乗り継ぎ可能だろう。
このプランを思いついた時は、我ながらよく閃いたものだと自画自賛したものだ。
西村京太郎のトラベルミステリーも真っ青……いや、言い過ぎか。



さて、長くなってしまったが、本日は京都府福知山市を出発して広島県庄原市を目指す。
それ程急ぐ必要はないが、ある目的のため、朝の5時頃に宿を出発する。
最初の目的地までは1時間弱といったところか。


早朝の駐車場

6:00
とある駐車場に到着。
これは目的を済ませた後に撮影したものであるが、実際のこの時間は暗かったし、駐車場も混雑していた。
混むことを予想して早めに到着したのだが、駐車スペースはほぼ埋まっており、滑り込みセーフであった。

山道を登る

駐車場からはこんな感じの山道を登ってゆく。
この写真も帰路に撮影したもので、実際には真っ暗闇だった。
私は迂闊にも照明を忘れてしまったため、懐中電灯を持っている人の後ろから登るというコバンザメ戦法を採った。
山道に適さない靴を履いてきた人も多く、登るのに苦労しているようだった。

登ること30分。
身体が温まった頃に、目的の場所に到着する。
その目的地とは…。



竹田城

竹田城!!
そう、ここはかの有名な竹田城を俯瞰する展望台。
その名も立雲峡(詳細はスポット紹介のページを参照)。

白みゆく空の下、多くの旅人が寒さに耐えながらシャッターを切り続ける。
薄暗がりの中浮かぶ竹田城を撮影し、満足げに帰っていく人々がいるが、それでは勿体ない。

竹田城

もう少し待てば、陽光に照らされた竹田城の姿が見れるのだ。
身体がすっかり冷えてしまっていたので、太陽のほのかな温もりが心地良い。
やはりご来光は良いものだ。
気がすむまで竹田城を堪能し、下山。

西へと向かおう。


神子畑選鉱所跡

8:10

竹田城と同じ朝来市内にある隠れた名所、神子畑選鉱所跡
寄る予定はなかったのだが、道沿いに突如として巨大な廃墟が現れたので思わず停車。
こちらは隣の養父市にあった明延鉱山(1987年閉山)の選鉱所として栄え、2004年までは建物も残っていたという。
建物は撤去されてしまったが、インクライン(ケーブルカー)の線路、幾段にも重なった土台等、見ごたえのある遺構となっている。




智頭急行

9:40

山中のマイナー国道を進み、岡山県入り。
ローカル線、智頭急行の普通電車が走ってきたので、撮影。
智頭急行線は1994年に開通した、比較的新しい路線。
小学生の頃、開業後間もない同路線に乗ったことがある。
当時の記憶は曖昧であるが、車両のカラーリングを見たら、懐かしい気分になった。

余談だが、岡山県は私にとってあまり馴染みのない県だ。
今日は残り丸一日かけて、岡山県を満喫しようと思う。
せっかくなので、当初の旅の目的地である瀬戸内海を目指すべく、南下開始。



児島湖堤防

12:40

こちらは岡山市南部にある、児島湾締切堤防
この辺り、つまり児島湾干拓地の水不足や塩害問題を解決すべく、1950年代に建設された堤防であり、この堤防によって児島湾は淡水湖化した。
それが現在の児島湖である(詳しくはWikipedia参照)。

両側を水に囲まれた直線道路は走っていてとても気持ち良い。
長崎県にある諫早湾の堤防道路が有名であるが、こちらもまた魅力ある道であった。
堤防の中ほどにある駐車場にて、穏やかな入り江をボーっと眺める。


群れる海鳥

堤防道路を抜け、そのまま瀬戸内海の海岸線をなぞる県道に入る。
鄙びた漁村が続き、とても長閑だ。
日向ぼっこでもしているのか、堤防の上に海鳥たちが身を寄せ合っていた。

海岸沿いの1.5~2車線が混在する田舎道を進んでいくと、岡山市から玉野市に入る。

長野県民であるが故、海への憧れが強い私。
ドーンと広がる何もない海も好きだが、瀬戸内独特の多島海の風景も新鮮で良いものだ。


水平線の瀬戸大橋

きらめく水平線の彼方に横たわる、うっすらとした影。
こんな巨大な影は、アレしかない。
瀬戸大橋。

これから西へと進み、どんどん瀬戸大橋へ近づいていくことになる。
瀬戸大橋を近くから見るのが楽しみだ。


根元からの瀬戸大橋

14:10

ドドーン!!
おお、これは大迫力ではないか!!

瀬戸大橋の袂にある倉敷市下津井に到着。
陸には歴史のある港町が広がっているのだが、空を覆いつくさんばかりの鉄骨の吊橋があまりに異質過ぎて、なんとも現実感のない風景になっている。
これは見ごたえがあるな…。

サバ寿司

そんな瀬戸大橋の御ひざ元、下津井の街で遅い昼食をいただく。
むかし下津井回船問屋という資料館の中にある食事処、ふく蔵
完全に店じまいという雰囲気だったが、聞いてみると、バッテラならば出せるとのこと。
チェーン店以外の店が悉く休業しており、年末らしい飢餓旅行になりかけていたところだったので、これはありがたかった。

バッテラは、サバがよく締まっており、とても美味しかった。
さて、昼食にもありつけたし、そろそろ庄原へのアプローチを開始せねば。




瀬戸内工業地域
15:25

鷲羽山スカイラインを進む。
その途中で見下ろした、水島の工業地帯。
国内屈指の規模を誇る、瀬戸内工業地域の中枢だ。
海と工業地帯、地元長野県では見られない景色だけに、とても新鮮だ。

工場の次は鄙びた漁村。
倉敷市浅口市笠岡市の漁村を繋ぐ県道を走り、西を目指す。
夕暮れ時の瀬戸内海が美しい。


笠岡の海岸

16:30

夜に片足突っ込んだ、笠岡市の海岸に立ち寄る。
この海岸は、天然記念物で、「生きている化石」とも呼ばれるカブトガニの生息地として知られている。
是非、その姿を見てみたかったが、どんなに目をこらしても、見つけることはできなかった。
笠岡周辺では絶滅寸前であり、また主に活動するのが夜であることから、仕方ないのだろう。

近くにはカブトガニ博物館があるが、この年末に営業しているわけもない…。



コインランドリー

18:10

井原市でコインランドリーに立ち寄る。
今回のような長期間の旅行においては、コインランドリーは重要だ。
これ以上内陸に進むと、洗濯できる場所が川くらいしかなさそうなので、井原市唯一のコインランドリーで1時間余りの洗濯休憩。

寝るまでのミッションとして、「洗濯はもうすぐ完了するので、残るは「入浴」と「食事」だ。
大きな都市がない中国山地、そして年末という悪条件…。
ミッションをこなし、爽やかな大晦日を迎えるべく、地図とにらめっこしながら、洗濯の終わりを待つ。



洗濯後はミッションをこなすため、ひたすら夜道を走るだけ。

まず、「入浴」。
岡山県最北部の真庭市湯原温泉へと向かったのだが、到着時間が遅く、営業している日帰り温泉は皆無。
しかし、諦めるにはまだ早い。
ここ湯原温泉には24時間無料で入浴可能な露天風呂があるのだ。
その名も砂湯
洗い場などはないうえに芋洗い状態だったが、満喫した。

ラストミッションである「食事」。
入浴を済ませた時、既に22時をまわっていたため、選択肢など残されていない。
湯原温泉近くのコンビニで巻き寿司を買い、車内で頬張る。
うーむ、大晦日はもう少し良いものが食べたいものだ。


さて、1日のんびりと下道を走ってきたツケが回ってきたようだ。
とうとう日付を変わる寸前であるが、本日の目的地、庄原市に着いていない。
さすがに疲労もたまってきたので、最後はワープすることにする。
…というわけで中国自動車道




2015年12月31日(木)

恐らく、日付は変わっていたと思う。
暗闇の中国自動車道をひた走り、庄原インターチェンジの手前の本村パーキングエリアに到着した。
今夜はここで車中泊をする。
日本の大動脈とは思えないほど曲がりくねり、灯りの少ない中国道の運転は、疲労した体にはなかなか堪えた。
本村パーキングエリアは、トイレと自動販売機のみのシンプルな施設。
静かな眠りが保証できそうだ。

なお、明朝に合流する拓北君は無事に名古屋発の夜行バスに乗れたらしい。
トラブルさえなければ、明日の5時過ぎには庄原インターチェンジ付近で落ち合えそうだ。
ゴソゴソと後部座席をフラットにし、あっという間に眠りに落ちた。


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